「小学校から私立」は限られた世界の話?
公立育ちの私にとって、「小学校から私立」はごく一部のお金持ちの家庭の話だと思っていました。東京都の私立小学校の数・在籍人数は以下のとおりです。
学校数 | 在籍人数 | |
国立 | 6 | 3,593 |
公立 | 1,262 | 594,261 |
私立 | 55 | 25,778 |
合計 | 1,323 | 623,632 |
学校数全体に対する私立小学校の割合は、約4.2%、在籍人数の割合は約4.1%です。約96%が国公立の小学校へ通っているとなると、私立小学校はやはり「限られた世界」と言えるのではないでしょうか。では、これが中学校になるとどうでしょう。
学校数 | 在籍人数 | |
国立 | 6 | 2,553 |
公立 | 607 | 230,649 |
私立 | 187 | 81,257 |
合計 | 800 | 314,459 |
学校数全体に対する私立中学校の割合は、約23%、在籍人数の割合は約26%です。私立小学校と比較し、グッと割合が増えますね!約4人に1人が私立中学校に通っているのですね。昨今の中学校受験の過熱ぶりをみても予想はつくかと思います。
実際、どのくらいお金がかかるの?
お教室代等、入学までにかかる費用
「中学受験は課金ゲーム」なんて言葉を耳にするようになりましたが、小学校受験の世界もお金はかかります(涙)チャイルド・アイズのHPには、1年半で約200万円なんて記載があります。実際に我が家が使った費用はどのくらいかざっくりですが、計算してみました。年中4月から年長10月までの19か月分です。(幼児教室1は年中4月~年長7月、幼児教室2は年長2月~年長10月まで通いました。)
単価 | 回数 | 合計 | |
幼児教室1 | 40,000 | 16 | 640,000 |
幼児教室2 | 40,000 | 9 | 360,000 |
体操教室 | 28,000 | 7 | 196,000 |
夏期講習・直前講習 | 320,000 | 1 | 320,000 |
模試(年長) | 20,000 | 2 | 40,000 |
入会金等 | 150,000 | 1 | 150,000 |
合計 |
1,706,000円
|
合計170万6,000円となりました!1か月あたり約90,000円です。これにプラスして子どもの洋服や小物、両親の洋服代も必要になってきます。やはりお金はそれなりにかかることを覚悟しておいた方が良いでしょう。

入学後にかかる費用はどのくらい?
私立小学校の場合、ざっくり6年間で1,000万円くらい必要なんて話を聞くことはありますが、実際にどのくらい見込んでおけば良いのでしょうか?学校によって差がありますが、まずはみんなの憧れ慶應幼稚舎の学費をチェックしてみましょう!
学費 | |
入学金 | 340,000 |
授業料 | 960,000 |
教育充実費 | 200,000 |
その他の費用 | 130,000 |
初年度納付金合計 | 1,630,000 |
在学生納付金合計 | 1,290,000 |
出典:慶應義塾HP
慶應幼稚舎はかなり高い部類に入ると思います。初年度以降も毎月10万円以上かかりますね。一方で、学費がリーズナブルな学校はどのくらいでしょうか。北区赤羽にある星美学園小学校をみてみましょう。
学費 | |
入学金 | 250,000 |
授業料 | 372,000 |
施設整備費 | 80,000 |
父母の会入会金 | 5,000 |
教育充実費 | 72,000 |
その他の費用 | 44,000 |
初年度納付金合計 | 823,000 |
在学生納付金合計 | 488,000 |
慶應幼稚舎と比較すると初年度納付金は約半分、2年目以降の納付金も半額以下です!公立小学校と比較すると決してお安くはありませんが、手が届く範囲ではないでしょうか。ちなみにSAPIXの小学4年生の授業料月額が42,900円です。中学受験に要する費用を私立小学校の学費として払うと考えれば、お得感がありますね。
結局、どのくらいの収入があればいいの!?
最終的には各ご家庭の判断になると思いますが、文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」によれば、私立の学校に子どもを通わせている家庭の年間収入は、私立小学校では1,200万円以上の世帯が51.8%と半数を上回っており、2番目が1,000~1,199万円で14.2%、3番目が800~999万円で13.3%です。
厚生労働省の2022年の「国民生活基礎調査」によると、2021年の世帯所得の平均は545万7,000円、児童のいる世帯に限ると785万円なので、やはり私立小学校に子どもを通わせている家庭の収入水準は高いと言えますね。
年収1,200万円以上というのが1つの目安でしょうか。実際にお受験の世界に足を踏み入れてみてわかったことは、「良い環境をお金で買う」という考えを持っている方が多いということです。「恵まれた設備の中で良い先生・友人に囲まれて充実した時間を過ごして欲しい」、「一生付き合える恩師や友人に恵まれて欲しい」といった考えが多いのです。小学校受験は偏差値がない特殊な世界。お金を出してでも子どもに良い環境を与えたいと思えるかどうかがポイントなのかもしれません。
