お受験の世界は「ご縁とご紹介」でできている
お受験にまつわる噂は数々ありますが、一番気になる事としては「コネって実際どうなの?コネがないと入れないの?」という事。はないでしょうか。
結論としては「コネ」はあるに越したことはありませんが、なくても問題ないということです。お受験の世界では親族に卒業生がいる等の「コネ」は普通のことで、やましいものでも何でもありません。幼児教室でも、親の学歴や志望校に関して親族に卒業生がいるかどうか聞かれますし、いる場合には志望動機に盛り込む等、アピールするよう指導されるのが一般的です。
でも、コネがなくては受からないというものでもありません。入学者のすべてを関係者から選ぶというのは事実上難しいですし、あまりに露骨にそのようなことをすれば今の時代すぐに知れ渡ることになり、評判を落としかねません。
どうしてコネが大切なの?
これは私見ですが、小学校受験というのはまだ5~6年しか生きてきていない子どもを、その時点の能力差で判断しなければならない難しい選考試験です。数年後、もっと言えば数か月後には能力が逆転していることなんてザラでしょう。そういう意味で「先見の明」のようなものが求められる選考なわけですが、そのためにはやはり後ろ盾があった方が選びやすいのではないでしょうか。
両親の学歴や職歴を書かせたり面接で聞いたりするのも、その後ろ盾のためですし、コネもその一つだと感じました。学校が良く知った人からの「お墨付き」があれば安心というものです。
夫の実家は幼稚園から私立があたり前の家庭。娘の祖母に言わせると「『ご縁とご紹介』でいろいろなことが決まるのが私立の世界」だそうです。同時にこんな発言もしていました。「昔は親族の紹介があればいくらでも入学できたけど、今は厳しくなった」と。いわゆる「縁故枠」というものは時代の変化とともに確実に減ってきているのではないでしょうか。
お受験をしていると、「あの学校はコネがないと厳しい」といった情報を耳にすることが多くあります。確かに少し前まではそうだったのかもしれませんが、現在の状況は変わっている場合もありますし、単なる噂話だけを信用せずに、幼児教室の先生や実際に自分で学校に足を運んでみて得た印象・情報を大事にした方が良いと思います。
結論としては、コネがある場合には積極的にアピールした方が良いと思いますし、それはお受験の世界にあっては正当な戦い方だと思います。我が家も親族に卒業生がいる場合には、積極的に伝えるようにしました。でも、コネがないからといって諦める必要は全くありません!!
身上書って必要なの?
お受験の世界に足を踏み入れると、今まで知らなった作法に多く出会います。「身上書(しんじょうしょ)」もその一つです。何やら幼児教室に入るにも身上書が必要なところがあったり、親族を通じて事前に学校関係者に渡したりするものらしいということはわかったのですが、我が家にも必要なのかどうかよくわかりせんでした。結果として、誰かのご紹介で受験する予定のない人は作成する必要はありません。どなたか有力者を通じて事前に学校関係者に話を通す場合には、用意すると良いでしょう。
我が家の場合、娘の祖母に突然「今度〇〇学校に近しい人に会うから何かしら用意しておくように」と言われて焦りました。結局、作成した身上書は使わなかったのですが、何かのお役に立てれば幸いなので、身上書の書き方についてご紹介します。
まずは身上書用の便せん・封筒を購入しましょう
身上書用の便せん・封筒というものが売られています。鳩居堂のものか、こういった釣書用箋を用意しましょう。

身上書に書くべきこと
便せん1枚目に書くこと
まずはタイトルとして「身上書」と書きます。その後、子ども本人の情報を記載します。
「性格等」には子どもの長所や将来こうなって欲しい人間像を書くといいですよ。
- 氏名(ふりがな)
- 生年月日
- 本籍
- 現住所
- 電話番号
- 幼児教室
- 性格等
便せん2枚目に書くこと
願書には文字数制限がありますが、身上書にはありません。志望校への想いをもれなく伝えられるチャンスです!
- 志望理由
便せん3枚目に書くこと
便せん3枚目にはタイトルとして「家族」と書き、父親の情報を記載します。
学歴は親が卒業生等でアピールできる場合は小学校から書くと良いと思います。特にアピールできる情報がない場合は高校から書きましょう。
- 氏名(ふりがな)
- 生年月日
- 学歴
- 職歴
便せん4枚目に書くこと
便せん4枚目には、母親の情報を記載します。
- 氏名(ふりがな)
- 生年月日
- 学歴
- 職歴
便せん5枚目に書くこと
便せん5枚目には、そのほかの家族の状況について書きます。兄弟や祖父母が志望校の出身者である場合には、積極的に記載します。
- 志願者との続柄
- 氏名(ふりがな)
- 生年月日
- 学歴
封筒に書くこと
最初に読む部分が上になるように三つ折りにし、封筒の表に「身上書」と記載し、通常は封をせずに紹介者に渡します。

最後に
身上書を普段から書き慣れている人は少ないと思うので、急に用意するとなると焦ってしまいますよね。少なくとも家族や親族の学歴や職歴については棚卸しておき、学校によって何を書いたら良いのか整理しておくといざという時に慌てなくて済むのではないでしょうか。
ちなみに、身上書を書く際には筆ペンを使うようにしましょう。身上書を購入する際に店員さんに聞いて購入すると間違いがないと思います。
慣れないことが多く戸惑う小学校受験。身上書はその最たるものかもしれません。これも人生経験のうちと考えて乗り切りたいですね。